肝斑とシミの見分け方|間違ったスキンケアで悪化する?おすすめ美容治療を紹介

実は肝斑とシミは見た目が似ているようで全く違うものです。
間違ったケアをすると逆に悪化してしまうこともあります。
この記事では肝斑について、シミとの見分け方から正しいケア方法、そして美容皮膚科での効果的な治療法までを詳しくご紹介します。
肝斑とシミの見分け方

「これって肝斑?それともただのシミ?」と悩む方は非常に多いです。
ここではそれぞれの特徴から自分でチェックする方法までをご紹介します。
肝斑ができやすい場所と特徴
肝斑の最大の特徴は左右対称に現れることです。
主に頬骨の上や額、鼻の周りなどに左右均等にぼんやりとしたシミのように現れます。
色は薄い茶色から灰色がかった茶色で、境界がぼやけていることが多いのも特徴です。
光に当てると目立たなくなることもあり、見える時と見えない時があると感じる方も少なくありません。
また肝斑は一般的に20代後半から40代の女性に多く見られます。
シミの種類と特徴
「シミ」と一言で言っても、実はいくつかの種類があります。
それぞれ原因も見た目も異なるので、見分け方を知っておきましょう。
老人性色素斑(日光黒子)
- 最も一般的なシミで、加齢とともに増える
- 輪郭がはっきりとした円形や楕円形
- 濃い茶色や黒色で、肝斑より色が濃い
- 紫外線を浴びやすい部位(顔、手の甲など)にできる
- 対称性はなく、でき方にパターンがない
そばかす(雀卵斑)
- 小さな点状の色素斑が多数あり、鼻周りに多い
- 一般的に3歳頃から発症し、思春期に最も目立つ
- 遺伝的要素が強い
- 夏に濃くなり、冬に薄くなる季節変化がある
炎症後色素沈着
- ニキビや傷、虫刺されなどの炎症後にできる
- 炎症のあった場所に限局している
- 時間とともに薄くなることが多い
肝斑との見分け方で重要なのは、「左右対称性」と「輪郭のぼやけ具合」です。
老人性色素斑は輪郭がはっきりしていて左右非対称、そばかすは小さな点状、肝斑は輪郭がぼやけていて左右対称という特徴があります。
セルフチェック
肝自分のシミが肝斑かどうか、以下のチェックリストで確認してみましょう。
当てはまるほど肝斑の可能性が高くなります。
- 30〜40代で気づいた
- 左右の頬に同じようなシミがある
- シミの輪郭がぼやけている
- 点々としたシミではなく、面としてもやっと広がっている
- 季節によって濃さが変わる
- 妊娠・出産を経験した、または経口避妊薬を使用している
- フェイスマッサージをよく行う方である
ただし、自己判断は難しいケースも多いので、確実な診断は皮膚科や美容皮膚科での専門的な診察をおすすめします。
肝斑ができる原因と悪化要因

肝斑はどうして現れるのでしょうか。
原因を知ることは効果的な対策につながります。
女性ホルモンや加齢の影響
肝斑の最大の原因は女性ホルモンのバランス変化です。
特にエストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れると肌のメラニン生成が過剰になり肝斑につながります。
研究によると、肝斑部分ではエストロゲン受容体が増加し、メラニン生成を促進します。
特に次のような状況では、ホルモンバランスの変化により肝斑が発症しやすいです。
- 妊娠・出産時:妊娠中はプロゲステロンやエストロゲンの分泌が増加
- 低用量ピルの使用:人工的なホルモンバランスの変化
- 更年期前後:30代後半〜50歳頃はホルモンバランスが不安定に
- ストレス過多:ストレスもホルモンバランスに影響
興味深いのは、ホルモンバランスが安定する60代以降では、肝斑が自然に薄くなる方が多いという点です。
これも肝斑と女性ホルモンの関連を裏付けています。
紫外線や摩擦による刺激
女性ホルモンの影響に加えて、外的な刺激も肝斑の大きな要因になります。
紫外線は肝斑の大敵です。
一般的なシミと同様に、紫外線はメラニンの生成を促進し、肝斑を悪化させます。
日差しの強い夏だけでなく、曇りの日や冬でも紫外線対策は欠かせません。
意外と見落としがちなのが肌への摩擦です。
次のような日常的な習慣が肝斑を悪化させることがあります。
- 強くこする洗顔方法
- ゴシゴシと力を入れるスキンケア
- 過度なフェイスマッサージ
- マスクによる摩擦
- 枕との接触による寝具の摩擦
肌への摩擦は皮膚のバリア機能を低下させ、炎症を起こしやすくします。
その結果、メラニンの生成が促進され、肝斑が悪化するのです。
肝斑を悪化させない正しいスキンケアとNG行為

肝斑は一度できてしまうと完全に消すのは難しいと言われています。
だからこそ悪化させないためのケアが重要です。
刺激を避ける基本のスキンケア習慣
肝斑ケアの基本は優しさです。
クリーミーな泡で優しく洗顔し、ゴシゴシこすらないことが大切です。
ぬるま湯を使うと刺激が少なくなります。
化粧水は手のひらで温めてから優しくなじませ、肌を引っ張らないよう注意しましょう。
最も重要なのは日焼け止めの習慣です。
SPF30以上のものを室内でも使用し、定期的に塗り直すことが大切です。
肝斑にNGなスキンケアや治療法
肝斑がある場合、避けるべきスキンケアや治療法があります。
これらは一時的に肌を明るくする効果があっても、長期的には肝斑を悪化させる恐れがあるので、以下の行為には注意しましょう。
- 強い摩擦を伴うピーリングや角質除去
- 強い刺激性成分を含む美白化粧品
- 過度なフェイスマッサージ(特に肝斑がある部分)
- 高出力のレーザー治療(肝斑用ではないもの)
- 通常のフォトフェイシャル(肝斑用フィルターがないもの)
最新の研究では、肝斑の原因は女性ホルモンだけでなく「摩擦による炎症後色素沈着」であることも明らかになっています。
そのため、過度の摩擦を伴うスキンケアは肝斑を悪化させる大きな要因です。
また、肝斑とシミを見分けることなく行う一般的なシミ治療(特にレーザー治療)は、肝斑を悪化させることがあります。
皮膚科医の間では「レーザートーニングを中止したとたんに肝斑が戻ってくる」「肌がまだらになる」などの副作用も報告されているため、素人判断での治療は避けるべきです。
肝斑にやさしい成分とアイテムの選び方
肝斑に効果的な以下の成分を含むスキンケアアイテムを選ぶことで、症状の改善や悪化防止が期待できます。
- トラネキサム酸:肝斑改善効果が厚生労働省に認可されている成分
- ビタミンC誘導体:メラニン生成を抑制し美白効果がある
- ビタミンE:抗酸化作用があり、ビタミンCの効果を高める
- アルブチン:メラニン生成酵素の働きを抑制する
選ぶ際のポイントは、刺激が少なく、これらの有効成分を含む製品を選ぶことが大切です。
関連記事:シナールの効果と特徴|どのくらいで効果が出始める?
美容皮膚科で受けられる肝斑治療

肝斑はセルフケアだけでは改善が難しいです。
美容皮膚科ではどんな治療が受けられるのでしょうか。
内服治療
肝斑治療の基本となるのが内服治療です。
特にトラネキサム酸の内服は、肝斑に効果的であることが研究で示されています。
トラネキサム酸はメラニン生成を抑制し、肝斑を薄くする効果があり、さらに炎症を抑える作用も備えています。
一般的な処方量は1日500〜1500mgで、治療開始から1〜2ヶ月で効果を実感する方が多く、効果的な治療のためには約6ヶ月間の継続服用が目安です。
中国の患者74名を対象にした調査では、トラネキサム酸を1日500mg、6ヶ月間服用した場合の有効率は64.8%だったという報告があります。
その他、ビタミンCの内服も併用されることが多く、両方を併用することで相乗効果が期待できます。
外用薬治療
内服と並行して外用薬も用いられます。
医師の処方に基づいた適切な使用が重要です。
ハイドロキノン
- メラニン生成を強力に抑制する
- 濃度が高いものは刺激が強いため、医師の指導のもとで使用する
- 夜のみ使用し、日中は必ず日焼け止めを併用
トレチノイン
- 肌のターンオーバーを促進する
- メラニンの排出を促す
- 使用初期は皮剥けや赤みが出ることも
- ハイドロキノンと併用すると効果的
トラネキサム酸配合外用薬
- 内服だけでなく外用でも効果あり
- 刺激が少なく使いやすい
- 他の治療法と併用しやすい
これらの外用薬は医師の指導のもとで使用し、自己判断での中止や使用頻度の変更は避けましょう。
レーザートーニング
レーザーによる「レーザートーニング」が用いられます。
このレーザーは肌の深層のメラニンにアプローチし、色素沈着を徐々に薄くしていきます。
最新の治療プロトコルでは2クール制がおすすめです。
1クール目は1~2週間ごとに5回照射し、1ヶ月の休息期間後、2クール目として2週間ごとに5回、計10回の治療を行います。
ただし注意が必要です。
2015年の日本皮膚科学会ガイドラインでは「肝斑に対するレーザー治療はまだ確立された方法ではなく、難治性の症例に限るべき」と指摘しています。
さらに最新研究では、日本人へのピコ秒レーザー治療で、改善例より3倍多い患者で症状悪化が報告されました。
検討する場合は経験豊富な医師の施術と、治療後の徹底した紫外線対策が不可欠です。
光治療
IPL(インテンス・パルス・ライト)治療では、肝斑専用のフィルターを使用した光治療も行われています。
- 肝斑用のフィルターを使用することで安全に治療可能
- 皮膚の深い層にある真皮層のメラニンにアプローチ
- 肌全体のトーンアップ効果も
ただし、肝斑用ではないIPL治療は逆に肝斑を悪化させることがあるので、必ず肝斑治療に精通した医師のもとで受けましょう。
治療にかかる期間・費用目安
肝斑治療は即効性があるものではなく、通常3〜6ヶ月ほどの継続的な治療が必要です。
費用の目安としては以下のとおりです。
- 内服薬:月3,000〜5,000円程度
- 外用薬:月5,000〜10,000円程度
- レーザートーニング:1回15,000〜30,000円(クリニックにより異なる)
- 光治療:1回20,000〜40,000円程度
多くの場合、内服・外用薬とレーザー治療を組み合わせて行うことで効果が高まります。
ただしこれらは保険適用外の自由診療となるため事前に費用を確認しておくことをおすすめします。
肝斑治療を美容皮膚科に相談するメリット

肝斑の効果的な治療には、日々のセルフケアとともに、専門家による適切なアドバイスや治療が重要です。
肝斑とシミを見極められる
素人目には肝斑とシミの区別がつきにくいものです。
美容皮膚科では、ウッドランプという特殊な光を当てる検査などを行い、肝斑と他のシミを見極めます。
2023年の調査によると、肝斑という名称を知っている女性は72.9%に達する一方で、「肝斑の要因や適切な対処法まで知っている」と回答した人はそのうちわずか15%に留まっています。
肌状態に合わせた治療を受けられる
肝斑は人によって症状や原因が異なり、同じ治療法でも効果に差があります。
美容皮膚科では、あなたの肌状態や生活習慣、ホルモンバランスなどを総合的に判断し、最適な治療プランを提案してくれます。
また、肝斑だけでなく、併発している他のシミや肌トラブルも同時に治療できるのがメリットです。
薬の使用も医師がサポート
美容皮膚科で処方される薬剤は効果が高い分、正しい使用法が重要です。
定期的な診察を通じて副作用のリスクを最小限に抑えながら安全に治療を進められます。
効果が見られない場合も、すぐに処方を調整してもらえる安心感があります。
セルフケアでは難しい改善が期待できる
市販の美白化粧品だけでは改善が難しい肝斑も、医療機関での適切な治療を受ければ改善の可能性が高まります。
特に初期の肝斑であれば3〜6ヶ月の治療でかなり薄くなるケースも少なくありません。
最新のデータによると、内服薬と外用薬の併用で約8割の患者さんに改善が見られたという報告もあります。
肝斑が気になる場合は早めに専門医に相談するのがおすすめです。
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当院の肝斑治療の特徴
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- 医師・看護師による直接施術: 経験豊富な医師・看護師が一人ひとりの肌状態を詳細に診断し、最適な出力設定で治療を行います
- 内服薬との併用療法: 外部からのアプローチだけでなく、専門医の処方による美容内服薬を併用することで、体の内側からも肌質改善をサポート
内服治療について
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まとめ
肝斑はホルモンバランスの乱れが主な原因で左右対称に現れる色素沈着です。
正しいケアが重要で、「優しい洗顔」「確実な保湿」「徹底した紫外線対策」の3つを基本としましょう。
改善しない場合は美容皮膚科での治療がおすすめです。
内服薬と外用薬の併用で約8割の患者さんに改善が見られています。
肝斑治療には時間がかかりますが、正しいケアと適切な治療を続けることで必ず改善への道が開けます。
参考文献
しみの説明
簡単!肝斑チェック|シミ・肝斑治療外来 ウォブクリニック中目黒
シミの種類と見分け方【画像あり】 | 大船T’s形成クリニック