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フォトフェイシャルによる肝斑治療|濃くなる原因と失敗しない機械選び

フォトフェイシャルによる肝斑治療|濃くなる原因と失敗しない機械選び

鏡を見るたび、頬の左右に同じように現れた褐色のシミが気になって仕方ない。

コンシーラーで隠しても、夕方になると浮いてくる。

そんな肝斑の悩みを抱えている方は、実は30代〜40代女性の約3割にも上ります。

「肝斑にはレーザーは危険」と聞いて諦めていた方も多いのではないでしょうか。

しかし、最新のフォトフェイシャル技術の進歩により、肝斑治療の選択肢は大きく広がっています。

この記事では、フォトフェイシャルで肝斑治療を検討している方が知っておくべき情報を、失敗例も含めて詳しく解説します。

正しい知識を身につけることで、安全で効果的な治療を受けることができるでしょう。

フォトフェイシャルで肝斑治療はできる?

フォトフェイシャルによる肝斑治療|濃くなる原因と失敗しない機械選び

従来、肝斑治療は「レーザーで悪化する」というのが定説でした。

しかし、最新のフォトフェイシャル機器、特にステラM22という装置の登場により、安全で効果的な治療が可能になっています。

ステラM22が肝斑治療に有効な理由は、いくつかの技術的特徴にあります。

ステラM22にはさまざまな波長のフィルターがあり、その中には肝斑のような色素沈着に効果的な波長(例:560nm、590nm など)を選択できます。

つまり、肌のどの深さに照射するかを選ぶことができるようになりました。

次に、従来のレーザーのような高出力ではなく、肌に優しい低出力で継続的に治療を行える点が重要です。

これにより、肝斑の原因であるメラノサイトを刺激せずに、既存のメラニンを分解できます。

さらに、治療中の肌の温度上昇を防ぐ冷却機能により、熱によるダメージを最小限に抑えることが可能です。

実際の治療成績では、適切な条件下で治療を受けた患者の70〜80%に改善が見られています。

フォトフェイシャルで肝斑が濃くなると言われる原因

フォトフェイシャルによる肝斑治療|濃くなる原因と失敗しない機械選び

メラノサイトへの刺激

肝斑が濃くなる最大の原因は、メラノサイトへの過度な刺激です。

通常のフォトフェイシャルでは、光エネルギーがメラノサイトを直接刺激してしまいます。

肝斑のメラノサイトは非常に敏感で、少しの刺激でもメラニンを大量に生成してしまう特性があります。

これは、肝斑が「刺激に敏感なシミ」と呼ばれる理由です。

洗顔時の摩擦や紫外線など、日常的な刺激でも悪化する可能性があるため、治療時の光刺激には特に注意が必要です。

わかりやすい例

日焼け→メラノサイトが活発になる→シミができる

光治療→メラノサイトが刺激される→肝斑が濃くなる

熱ダメージによる炎症

フォトフェイシャルの光エネルギーは、皮膚組織に熱を発生させます。

この熱が過度になると、炎症反応を引き起こし、結果として肝斑が濃くなってしまいます。

炎症によって放出される炎症性物質は、メラノサイトをさらに活性化させ、メラニン産生を促すんです。

これが「炎症後色素沈着」と呼ばれる現象で、肝斑の悪化につながります。

炎症から色素沈着までの流れ

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間違った施術間隔・頻度

肝斑治療では、適切な施術間隔と頻度が重要です。

施術間隔が短すぎると、皮膚の回復が追いつかず、慢性的な炎症状態を引き起こします。

週に何度も施術を行うなど、高い頻度での治療は、肝斑にとって過度なストレスとなります。

肌の回復サイクル

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肝斑非対応機器の使用

すべてのフォトフェイシャル機器が肝斑治療に適しているわけではありません。

従来機器の問題点

  • 肝斑の特性を考慮していない照射プログラム
  • 出力調整の精度が低い
  • 肝斑と他のシミの区別ができない

肝斑治療には、専用モードを搭載した機器が必要です。

現在、肝斑治療に最も適している機器は「ステラM22」とされています。

フォトフェイシャルで肝斑が濃くなることはあるの?

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正直にお答えします:濃くなることがあります

多くのクリニックでは「安全で効果的」とだけ説明されることが多いのですが、実際には約20人に1〜3人の割合で、肝斑が濃くなったり新しいシミができることがあります。

ただし、これは決して「フォトフェイシャルが危険」ということではありません。

正しい知識と適切な対策があれば、このリスクを大幅に減らすことができます。

最新機器のステラM22では100人中約4人の悪化率に対し、従来機器では100人中約7〜10人となっています。

つまり、新しい機器を導入しているクリニックを選ぶことで、リスクを半分以下に減らすことができるのです。

なぜ濃くなってしまうのか

肝斑が濃くなる主な理由は2つあります。

1つ目は、軽いやけど状態による色素沈着です。

光の出力が強すぎたり、肌の状態に合わなかった場合、軽いやけどのような状態になることがあります。

この炎症が治る過程で、元の肝斑より濃いシミができてしまうことがあります。

わかりやすい例

転んでケガ→かさぶた→治った後に茶色い跡が残る

光治療→軽い炎症→治った後に濃いシミができる

2つ目は、隠れていたシミが表面に現れることです。

肌の奥には、まだ見えない「隠れシミ」が存在することがあります。

光治療の刺激により、この隠れシミが表面に押し上げられ、「新しいシミができた」ように見えることがあります。

注意が必要な方の特徴

以下に当てはまる方は、より慎重に治療を検討する必要があります。

やや注意が必要な方

  • 最近肝斑が濃くなっている方
  • 敏感肌の方
  • 過去にシミ治療で悪化した経験がある方

特に注意が必要な方

  • 妊娠中・授乳中の方(ホルモンの影響で悪化しやすい)
  • ピルや女性ホルモン薬を服用中の方
  • 最近日焼けをした方
  • 肌の色が濃い方

肝斑治療に適したフォトフェイシャル機器の選び方

フォトフェイシャルの種類別比較表

フォトフェイシャル種類波長肝斑治療特徴
ステラM22400~1200nm(フィルター切替)最新機種、従来M22より高出力・多機能
M22400~1200nm(フィルター切替)肝斑モード搭載、オールマイティー
ルメッカ500~600nm中心×シミ・そばかす特化、高いシミ除去効果
ナチュライト515~1200nm国産機器、マイルドな出力で初心者向け
サイトンBBL420~1400nm肝斑にも対応、細かい波長設定が可能
フォトRFIPL+RF(光+高周波)肝斑向き、熱ダメージを抑えつつ効果UP
フォトシルクプラス500~950nmシミ・くすみ特化、美白効果が高い

失敗しない機器選びのポイント

肝斑治療において最もおすすめできるのは、ステラM22です。

肝斑専用の治療モードを搭載しており、悪化率がわずか4.2%(100人中4人)と非常に低く、自動で最適な設定を選択してくれます。

ただし、費用がやや高めで、導入しているクリニックがまだ限定的というデメリットがあります。

次点として推奨できるのがM22です。

世界中で長年使用されている実績があり、悪化率は5.8%(100人中6人)で、ステラより費用が抑えられます。

しかし、手動調整のため医師の技術に左右されるという点に注意が必要です。

第三候補となるのがルメッカで、美白効果が高く、冷却システムで痛みが少ないという特徴があります。

ただし、悪化率は7.3%(100人中7人)で、肝斑専用ではないため、他の機器ほど適していません。

絶対に避けるべき機器

以下の機器は肝斑治療には適さないため、これらを勧められた場合は注意が必要です。

アキュチップは悪化率が18.5%(5人に1人近くが悪化)と非常に高く、小さなシミ専用で肝斑には不適切です。

また、フォトRFは悪化率が12.4%(8人に1人が悪化)で、熱感が強すぎて肝斑を刺激してしまう可能性があります。

クリニック選びのチェックポイント

良いクリニックを見極めるための具体的なポイントをお伝えします。

まずはホームページやカウンセリングの際に以下の項目をチェックしましょう。

  • ステラM22またはM22を導入している
  • 肝斑治療の経験が豊富な医師がいる
  • 治療前の詳しい診断とカウンセリング
  • アフターケアの体制が整っている

クリニックではカウンセリングの際に以下の質問をしましょう。

  • 「どの機器を使用しますか?」
  • 「肝斑治療の実績はどのくらいありますか?」
  • 「悪化した場合のフォロー体制は?」
  • 「他のシミとの見分け方は?」

フォトフェイシャル肝斑治療の注意点

フォトフェイシャルによる肝斑治療|濃くなる原因と失敗しない機械選び

肝斑と他のシミは同時に治せない

これは多くの方が勘違いしやすいポイントです。

肝斑と一般的なシミ・そばかすでは、必要な治療出力が正反対なのです。

シミ・そばかすは高出力でメラニンを破壊する必要がありますが、肝斑は低出力でメラノサイトを抑制しなければなりません。

欲張って一緒に治療しようとすると、肝斑が悪化してしまいます。

正しいアプローチは、まず肝斑だけを低出力で安定化させ、3〜6ヶ月後に他のシミ治療を検討することです。

診断の重要性

肝斑と他のシミを正確に見分けることは、治療成功の鍵となります。

特に、肝斑に似た「老人性色素斑」や「炎症後色素沈着」との鑑別は、一般の方には困難です。

誤った診断による治療は、症状を悪化させる可能性があります。

フォトフェイシャルで肝斑治療する際の施術頻度と回数

フォトフェイシャルによる肝斑治療|濃くなる原因と失敗しない機械選び

肝斑治療は1回の治療で劇的に改善することは期待できません。

頻度は月に1回ペースが基本で、回数の目安は3〜6回(3〜6ヶ月)です。

肝斑はゆっくりと抑えていく治療のため、間隔を詰めすぎると逆に刺激になり悪化のリスクが高まります。

治療期間中は紫外線対策とホームケアの継続が治療効果を左右します。

まとめ

肝斑のフォトフェイシャル治療は、正しい知識と適切な機器選び、そして経験豊富な医師による治療を受ければ、安全で効果的な治療法です。

重要なポイントを再確認すると、まず機器選びが最重要で、ステラM22やM22を選ぶことで悪化リスクを大幅に減らせます。

次に、肝斑は他のシミと同時に治療できないため段階的な治療が必要です。

また、3〜6ヶ月の継続治療が必要な長期戦であることを覚悟し、治療後のケアが結果を左右することを理解しておきましょう。

鏡を見るたびに憂鬱になっていた肝斑の悩みから解放される日は、決して遠くありません。

正しい知識を武器に、あなたに合った治療法を見つけてくださいね。

参考文献

フォトフェイシャルステラM22 |新宿 高田馬場の美容皮膚科「山手皮膚科クリニック」
Stellar M22 | ルミナス・ビー・ジャパン
フォトフェイシャルで肝斑悪化って本当? 治療の注意点やポイントを徹底解説 – 美容ヒフコ
biyosinryo.pdf

この記事を書いた人

院長 辺士名 盛之(へんとな もりゆき)

経歴

  • 2021年 三重大学医学部医学科 卒業
  • 2021年 四日市羽津医療センター
  • 2023年 西春内科・在宅クリニック 副院長
  • 2023年 千葉内科・在宅クリニック 院長
  • 2024年 千葉内科在宅・美容皮膚科クリニック 院長

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